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北海道におけるクマタカNisaetus nipalensisの生態 Studies on mountain hawk eagle in Hokkaido |
※ データは2009年までのものです。 |
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< 営巣木の標高 > ![]() |
< 北海道のクマタカの繁殖分布 > ![]() |
< クマタカの営巣木の計測値と巣のサイズ >
< クマタカの繁殖ステージ >
< 卵のサイズ >![]() |
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北海道では産卵は3月下旬~4月上旬、孵化が5月中旬~下旬、巣立ちは7月下旬~8月上旬である。道内でも地域や年により若干の差がある。クラッチサイズ(1腹卵数:1繁殖に産む卵の数)は1卵で、CCDカメラの記録に基づいた抱卵日数は、全てが産卵~孵化まで48~50日である。これより、クマタカの抱卵日数は概ね49日(±1日)と考えてよい。そのため、孵化日が判明すれば逆算して産卵日を推定する事ができる。
巣立ち後は幼鳥が分散する(繁殖地から離れる)まで巣外育雛期となり、親鳥はこの期間も幼鳥の世話をする。これは非常に長期間に及び、多くが1年以上、長くて2年程もかかる場合もある。さらにこの巣外育雛期の長さは、翌年の親鳥の繁殖を阻害する要因になることもある。
本州では全ての行程が北海道よりも10日~2週間ほど早いが、巣外育雛期は北海道よりもやや短い傾向にある。
< クマタカの巣に搬入された餌リストと搬入数 >
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< クマタカ各営巣地の餌種の割合 >
クマタカの主な餌種は哺乳類、鳥類、爬虫類(ヘビ)である。
哺乳類はリス・モモンガ等小型~中型種が多く、時にテン・タヌキ等のやや大型種やネズミ等も対象となる。一般的に餌としてイメージの
強いウサギについては調査地では多くなかった。鳥類は小型~大型種全てが対象であり、オオタカやフクロウなどの猛禽類も含まれる。爬虫類は特にアオダイショウが多い。アオダイショウが他の一般的なヘビと比較して、樹上性が強いためと考えられる。
実際、親鳥が青葉の付いた生枝と共にアオダイショウを巣に搬入する様子がしばしば記録されている。
餌種の傾向は地域によって大きく異なり、繁殖地の気候・環境・植生等に大きく影響されていると考えられる。
![]() 産卵日:♀Ad.産卵の確認 |
![]() ♀Ad.巣材搬入 ♂Ad.(右) |
![]() ♂Ad.(左)餌搬入(エゾモモンガ) |
![]() ♀Ad.雛に給餌 |
![]() ♀Ad.,C上方を見て鳴く(♂Ad.に餌を要求) |
![]() 巣外育雛期:C巣に飛来-鳴く |
< 道内に生息するクマタカの行動圏(固定カーネル法) >
道西 ♂Ad | |||||
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調査期間 2007年6月下~7月下 | 調査期間 2007年8月上~9月下 | ||||
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行動圏面積(単位:ha) | 50%(コア)エリア | 74.12 | 行動圏面積(単位:ha) | 50%(コア)エリア | 168.52 |
95%エリア | 1146.32 | 95%エリア | 2192.52 |
道東 ♂Ad | |||||
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調査期間 2007年10月上~2008年2月中 | 調査期間 2008年4月上~7月下 | ||||
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行動圏面積(単位:ha) | 50%(コア)エリア | 355.08 | 行動圏面積(単位:ha) | 50%(コア)エリア | 315.15 |
95%エリア | 4918.59 | 95%エリア | 2305.04 |
道南 ♂Ad | |||||
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調査期間 2001年7月下~9月下 | 調査期間 2001年10月上~2002年3月上 | ||||
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行動圏面積(単位:ha) | 50%(コア)エリア | 45.32 | 行動圏面積(単位:ha) | 50%(コア)エリア | 217.89 |
95%エリア | 749.86 | 95%エリア | 1824.79 |
< クマタカ幼鳥の分散 >
![]() 2008年巣立ち個体の分散過程 |
![]() クリックで2005年巣立ち個体の分散過程の詳細へ |
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巣外育雛期(親鳥から給餌を受けなくなる時期)以降雛は分散し、繁殖地の近傍から次第に遠ざかっている。
この分散期は巣立ち後1年3ヶ月程で見られるようになる。分散の過程は時間の経過に伴って出生巣から離れていくわけではなく、一定の範囲内を大きく行き来している。
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